献立に悩んだ時、鶏肉に助けられることがよくありますよね。
鶏肉は和洋中どの味付けでも、家族みんなが喜ぶ一品が作れて魅力的です。
それに鶏肉は、牛肉や豚肉と比べると安価なので、つい手に取ってしまいます。

スーパーに並ぶ鶏肉の中でも、ブラジル産は特に安いですよね。



でも前に、ブラジル産の鶏肉が臭いことがあってから、買えなくなってしまった…。
確かに、ブラジル産の鶏肉が臭いというのはネットでもよく見かけます。



ですが、ブラジル産の鶏肉がなぜ臭いのか知っていますか⁇
今回はブラジル産の鶏肉が臭いと言われる理由から、安全性や安さの理由など…。
知らないと損かもしれない⁈ブラジル産の鶏肉の秘密をお話しします!!



さらに、安全性を知った後は、美味しく食べるためのコツを紹介します!!
ブラジル産の鶏肉が臭いと感じる理由


スーパーでブラジル産の鶏肉を買ったら臭いと感じた、という声がネットに多くあがっていました。
また、臭いと感じてから、ブラジル産の鶏肉ではなく国産の鶏肉を買うという声も少なくないです。



国産の鶏肉って、ブラジル産の鶏肉と比べると倍くらいの値段ですよね…。



使う機会が多いなら、「できるだけ安く買いたい…。」私もそのうちの一人です。
ただ、食品の安全性は妥協したくないポイントでもあります。
まずは、ブラジル産の鶏肉が臭いと言われる理由を知っておきましょう‼
腐敗が原因
鶏肉が臭い‼そう感じた時に真っ先に産地を疑うのではなく、まずは鮮度を確認しましょう。
そもそも、鶏肉は足が早いと言われている食品です。



私も鶏肉の混ぜご飯を数時間保温してしまい、腐らせた経験があります。
また、生唐揚げという半レア状態の唐揚げがYouTubeをきっかけに流行、食中毒の危険性が指摘されたこともありました。
そのように、火を通しても足が早いなら、生の状態では更に鮮度維持が難しいのも想像つきますね。



鶏肉の鮮度チェックは、簡単にできるのでしょうか??
それでは、食べても大丈夫な状態の鶏肉か、次のポイントに沿って確認してみましょう。
- 正常な鶏肉は、ピンク色に近い薄橙色
- 腐っている鶏肉は、灰色がかったり、緑色になっている
腐っている鶏肉の臭いは、酸っぱい感じや、硫黄のような臭い



硫黄の臭いは、温泉や卵が腐った臭いといえばイメージしやすいですね。
鶏肉には『ぬめり』がありますが、そのぬめりを強く感じると、腐っている可能性があります。



特に、水洗いをしてもぬめりが残る、粘つきや糸を引いていたら、腐っている証拠です。
これらのチェックポイントに一つでも当てはまったら、危険です。
腐っているものは、火を通しても食べられないので即処分しましょう。
脂が原因
次は、鮮度は問題なさそうだけど、なんだか臭いが気になるといったパターンです。



獣臭い感じや、古い油のような臭いという声が多いですね。
鶏肉には黄色い脂がついていますよね。
ブラジル産の鶏肉は、国産の鶏肉よりも脂が多くついているため、臭いが強く感じてしまうのです。
鶏肉の黄色い脂が酸化することで、腐敗とは別の独特な臭いが発生しています。



脂が酸化したことによる臭いなら、ちゃんと火を通せば食べても大丈夫です。
ただ、美味しく食べるなら、調理前に取り除く必要があります。
他にも、鶏に与えられた餌の臭いが染みつき、鶏肉に加工後も臭みが出てしまう場合もあります。
国産の地鶏に臭みを感じないのは、与えている餌に工夫がされているためです。
地鶏はトウモロコシを基本とした飼料に、炭の粉末や魚粉、海藻類などを加えています。
飼料に独自のブレンドをすることで、深い味わいの肉質を出しています。
対して、ブラジル産の鶏肉のほとんどは、ブロイラーという食肉専用として飼育されている品種です。
ブロイラーの餌はコスト重視の飼料を与えられています。
そういった餌の違いが、国産の鶏肉とブラジル産の鶏肉の臭いの違いにも繋がるのです。



鶏肉自体に問題があるわけではないんですね!!
また、ブロイラーの中にも分岐点があります。
それは、銘柄鶏と名付けられて、店頭に並ぶ鶏肉です。
- ブロイラーと同じ品種
- 飼育期間を少し長くすることで、名付けができる
- 徳次の工夫がされている配合飼料が与えられている
- ブロイラーよりも、コストがかかっている
つまり、臭いのリスクを減らすならば、国産、輸入品問わず、ブロイラー以外の品種を購入するのが良さそうです。
薬品漬けが原因⁈
ブラジル産の鶏肉は薬品漬けされて薬臭くなっていると、囁かれていました。



先程の説明で、飼料が鶏肉の臭いに影響するとお話ししましたね。
そこで気になるのがブラジル産の鶏肉、いわゆるブロイラーの飼料の中身です。
一部の週刊誌が、「ブラジル産の鶏肉の飼料に薬品が使われており、それが鶏肉に染み付いている」と記事にしたようです。



それじゃ、腐っていなくても安心して食べられないです…。
ブロイラーは食肉専用に飼育されているともお話ししましたよね。
コストパフォーマンスを上げるために、より早く太るように配合飼料が与えられています。
そのため、この配合飼料には『たんぱく質』などを混入しています。
そういった一連の流れにホルモン剤が使われていると断定し、薬品漬けと揶揄されているようです。



そんな根も葉もない記事を書いて、問題にならないの??
今の説明だけを聞くと、とんだ風評被害だと感じますよね。
ですがブラジル産の鶏肉が揶揄されてしまうのにも、また理由があるのです。
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ブラジル産の鶏肉は本当に危険?


先程のお話しでも出てきましたが、一部の日本人はブラジル産の鶏肉は危険だと言います。
その背景には『ブロイラー=ブラジル産の鶏肉』という、認識が強いことがあります。
さらに「ブロイラーの飼料には、ホルモン剤や抗生物質など危険なものが投与されている」という誤解が拍車をかけています。
また、ブラジル産の鶏肉は、単純に考えたら地球の裏側から輸入されてきたものです。
それには輸送コストや、輸送期間など様々な壁が立ちはだかっています。



でもブラジル産の鶏肉は、国産の鶏肉よりも安いんですよね??
安価だということが、「危険な薬品で賞味期限を延ばしている」と悪い想像に結びついてしまうのです。
これからお話しする内容は、あくまで各機関の公表文書を元にまとめたものです。



鶏肉の専門家が書いたものではないので、ネット記事として楽しんでくださいね。
ブラジル産の鶏肉は輸入禁止になったことがある
ブラジル産の鶏肉が危険だという根拠に、アメリカやEUで輸入禁止になっているというのが多くみられました。
そして、実際のところブラジル産の鶏肉が輸入停止になる事件がありました。



ということは、薬品漬けは本当だったの?!
まずは、日本で起きたブラジル産の鶏肉に関する事件を紹介します。
- 2005年 合成抗生物質残留が発覚
- 2011年 合成抗生物質残留が発覚
- 2019年 サルモネラ菌汚染が発覚
これらは日本で発覚したものですが、他のブラジル産鶏肉輸入国でも事件が発覚しています。
特に、2017年に大規模な食肉不正が発覚、世界中で大問題になりました。
2017年に発覚した食肉不正での出来事を簡単にまとめました。
- ブラジルの食肉加工業者21社が、検査官に賄賂を渡す
- 水でかさ増ししたり、衛生基準を満たさない鶏肉を出荷する
- アメリカやEUなど、世界各国が輸入禁止に指定する
- EU向け輸出認定施設68工場のうち、約1/3の工場が認定を取り消される
水でかさ増しされた鶏肉…想像しただけで怖いですし、臭いの原因になってそうですよね。
このようにブラジル産の鶏肉が食肉不正により、信頼を失うきっかけが実際にありました。
ですが、日本のスーパーにはブラジル産の鶏肉がたくさん並んでいますよね⁇



もしかして日本とブラジルは、友好国だから押し付けられている…??
そう捉える記事も多く見かけましたが、実際はどうでしょうか。
ブラジル産の鶏肉輸入禁止の真実
2017年の大規模な食肉不正からブラジル産の鶏肉はどうなったのでしょうか。
まず、認定を取り消された工場のうち12社は、2018年にBRF社とSHB社の施設となりました。
- EU向けに食品を輸出する、ブラジルの大手企業
- 特に鶏肉において、ブラジル最大手企業と言われる
- 近年では、トルコの鶏肉最大手企業を買収している
- SHB社は、その関連会社である



あれ??鶏肉をEUに輸出しているブラジルの企業があるの??
そうなんです、EUはブラジル産の鶏肉を輸入しています。
そもそも2017年の事件当時も、EU向け輸出施設の全てが輸入禁止になったわけではないのです。



なので、EUがブラジル産の鶏肉を輸入禁止というのは、誇張された表現ですね。
次にアメリカですが、こちらはブラジル産の鶏肉を輸入停止しています。



アメリカでは、安全性が確立されていないから?!
例えば、日本の食品のほとんどは、アメリカからの輸入品で原材料を補っていますよね。
そして、アメリカは鶏肉、つまりブロイラーにおいても世界最大の生産国なんです。
さらに、ブラジルに次ぐ鶏肉輸出国にもなっています。
つまり、アメリカは自国で鶏肉を賄えるので、そもそも輸入する必要がないのです。



価格や品質で優位性がない限り、輸入する必要がないのですね。
そうなんです、なので「ブラジル産の鶏肉を輸入しない理由=安全性が確立していないから」とは言えないのです。
話は戻りますが、EUの食品生産基準はかなり厳しいです。
それは輸入食品に対しても、同様に厳しい基準を求めています。
EUの厳格な基準をクリアしているなら、日本がブラジル産の鶏肉を輸入しているのも不思議ではないですよね。
ブラジル産の鶏肉が安い理由
そして、やっぱり安いものには裏があるのでは、という心理です。



ブラジル産の鶏肉は国産の鶏肉と比べると、安すぎるので危険という考えですね。
価格が安いのも、ちゃんとした理由があります。
- 土地代や人件費、資料が安い
- 船舶で大量輸送できるので、コストがかからない
- 海外では、もも肉の需要が少ない
- 鳥インフルエンザ発生のリスクが少ない地理的条件がある
これらの条件をみると、日本では満たせないものばかりですよね。
そういった鶏肉の生産にかかる費用の圧倒的な違いが、大きな価格差となっています。
また、日本で「若鶏」と表記される鶏肉は、ほぼブロイラーです。
つまり、地鶏や親鳥でない限り、品種における差はほとんどありません。
安い理由=品質が悪い、というのも一概には言えないでしょう。
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ブラジル産の鶏肉を美味しく食べる臭み取りの方法


これまでのお話で、ブラジル産の鶏肉が危険ではないとわかりました。
ですが、「ブラジル産の鶏肉が臭い」と感じた事実は消えません。



せっかく買ってきたのに、料理に使えなかったらショック…。
もし、ブラジル産の鶏肉が臭かったとしても、しっかり臭み取りをすれば美味しく食べれますよ。
ここでは、臭み取りの方法を、料理の段階ごとに紹介します。



ちゃんと臭み取りの方法を知っていれば、より安心してブラジル産の鶏肉を購入できますね。
下ごしらえで臭み対策
料理の下ごしらえでの臭み対策を紹介します。
グリルや照り焼きなど、調理時間が短く鶏の味が前面に出やすいものにお勧めです。
- しっかりと水洗いをする
- 臭みの原因である黄色い脂を取り除く
- 薄めのカットや、フォークで穴を開けて味が染み込むようにする
味付けで臭み対策
臭みを消すような味付けをすることでも対応できます。
唐揚げやカレーなど、様々な味付けができる料理で効果を発揮できます。
- にんにくやしょうがを含めた調味料に漬けこむ
- にんにくを熱したオリーブオイルで表面を焼いておく
- 牛乳やヨーグルトに漬けこむ
また、調理段階でしっかりと煮込むことでも臭み対策ができます。



いろいろな臭み対策を知っていれば、その日の献立に合わせて対応できますね!!
次は、漬けこみ&煮込みで、ばっちり臭み対策になるオススメレシピを紹介します。
臭み対策‼バターチキンカレーのレシピ



家でバターチキンカレーが作れるの?!
臭み対策だけではなく、本格的な味で美味しく食べれます。
しかも、ご飯にも合う日本人好みの仕上がりです‼
- 鶏肉(むね肉、もも肉どちらでもOK) 1枚
- 無糖ヨーグルト 200g
- カレー粉 大さじ1×2回分
- 玉ねぎ 1/2個
- にんにく 1片
- しょうが1片
- ホールトマト 1缶
- バター 15g×2回分
- 砂糖 大さじ1.5〜2
- 塩 小さじ1
- こしょう 少々
2回に分けて使う材料は、1回分の分量×回数で表記しています。



さっそく、作り方を紹介します‼
- ヨーグルトに、カレー粉大さじ1を入れて混ぜる
- 一口大に切った鶏肉を1に漬け込む(30分〜数時間)
- 玉ねぎ、しょうが、にんにくをそれぞれみじん切りにする
- 鍋でバター15gを溶かし、弱火でしょうが、にんにくを炒める
- しょうが、にんにくの香りが出てきたら、玉ねぎが透き通るまで炒める
- カレー粉大さじ1を馴染ませ、ホールトマト缶を入れる
- 漬けておいた鶏肉を、ヨーグルトごと入れて煮込む
- 鶏肉に火が通ったら、砂糖、塩を加えて、とろみが出るまで煮込む
- 残りのバター15gを加え、塩こしょうでで味をととのえる
ヨーグルトに漬けることで、鶏肉がほろほろになります。
生クリームを入れると、より本格的になりますよ。



普通のカレーの作り方と変わらないから、簡単に作れそう!!
とても簡単に作ることができるので、みなさんも作ってみてくださいね!!
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まとめ


- ブラジル産の鶏肉は脂肪が多く臭いと感じやすい
- ブラジル産の鶏肉はほぼブロイラーという食肉用に飼育された品種
- 国産の「若鶏」もほぼブロイラーという品種
- ブラジル産の鶏肉で過去に大規模な食肉不正があった
- EUはブラジル産の鶏肉を輸入している
- アメリカはブラジル産の鶏肉を輸入する必要がない
- 日本と比べるとブラジル産の鶏肉は低コストで生産できる
- 臭み取りをすればブラジル産の鶏肉を美味しく食べれる
ブラジル産の鶏肉が臭いと感じたことがきっかけで、背景にある様々な問題や歴史がわかりました。
今回は、ブラジル産の鶏肉が危険という根拠よりも、安全という根拠の方が多いという体でお話しをしました。
ですが、食肉不正があったことや、多くの人が臭いと感じているのも事実です。
そして今回のお話は、食肉不正が今後一切起きないという根拠にはなりません。
ただそれは、ブラジル産の鶏肉に限った話ではなく、国産の食品にも起こり得ることです。
幸い、日本のスーパーでは、沢山の選択肢の中でお買い物ができます。
正しい知識や情報を持って、損をしないお買い物をしたいですね‼
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